2010年11月12日金曜日

母の咲かせた花


9月に死んだ私の母へ、夫が買った鉢植え。
いっぱい花を咲かせ、
四十九日が過ぎた。
母の心不全から2ヶ月がたつ。
そして私は、悲しくて背中を丸めること、ほとんどなくなった。

どんな悲しみにあっても、
心模様は変わっていくんだなぁ、と思う。
悲しみの代わりに
母のおもしろかったことをよく思う浮かべる。
母はおもしろい人だった。
それが私の自慢だったりした。

何がそんなにおもしろい?って、思うねんけど、
空が青くて、いい加減な答えだけが出てきます。

1、母の辞書には論理ということばがない。

論理的にまわらない母との会話。
例えば、、、
私「町内会の人にお中元を渡した?」
母「そういうことはしたらあかんねん、去年からそうなってん。そらそうよ。贈り物をしてえこひいきしてもらおうなんて、許されへん。当たり前やん。」
私「ほなら、もう今年はお中元なしやな。」
母「いや、お中元はするで、町内会の人にはよくしてもらいたいもんっ」

???

2、平気で人をこけおろす。

母が救急車で関西偉医大病院は運ばれる途中、
車内の窓から、おばあちゃんがよろよろと救急車の前に出るのが見え、
私と看護婦さんが思わず叫んだ。
「危ない~!あんなことしてたら、おばあちゃん交通事故で死ぬわぁ」
狭いベッドの中で、母は一言。
「ああいうのに限って、死なへんっ」
車内は大爆笑。

3、平気で人をこけおろす、しかも本人の前で。

通っていたジムに一緒にいくと、母のなじみのジムのトレーナーが
「山本さん、今日は娘さんとご一緒ね。よくでけた娘さんやって伺ってますよぉ(お世辞&ニコニコ)。いやぁ、うちの娘なんかできが悪くて、、」
すると母、
「あんたに似たんや。ははは」
そういうこと、言うかぁ。。

4、ハンサムと美人に弱い。

そして自分がそれらとコネクトすることに執着する。
レストランでハンサムなウェーターが来ると、必ず言う言葉がある。
「はぁ~、私が美人やから、ウェーターもハンサムなんやで。」

母は人生をいつも愛した。その理由は、、、
「あたしかわいいから、うまくいくねん。あんたも美人に生んどいたから、ええ人生送ってや。ジョンもハンサム、あんたの友達もみ~んな美人。ほんま、人生ってええなぁ。」

ふむ、この展開はアインシュタインの自信にも似て、天才的な広がりをみせる。さらに、母の口癖は、「あんたは賢い。」誰にでも言う。もちろん自分も賢い。

5、かなりコドモっぽい。

小学校の教職で、低学年を30年も教えたら、こうなるのだろうか?

食事の際に、まず自分の一番好きなものをお皿の隅にやる。
「だって、最後に食べたいも~ん」
本気で言うから呆れる。

シールが好き。母からの手紙は、恥ずかしくなるほど、シールがベタベタ貼ってある。挙句の果てには自分が描いた絵を切り抜いてのりで貼る。のりで貼らんでも、そのまま描けばいいのに、って私がいうと、無視をする。

効果音を出すのが好き。どひゃ~、あじゃパー、ありゃりゃ、どか~ん、など。会話にしょっちゅう現われる。すごいタイミングでいう。
例えば、私の大学入試の時、第一志望に落ちてがっくりして母に報告したのだが、母は笑って「あじゃパー、、」

楽しいことがあったら、悲しいことをすぐ忘れる。かなりきっぱり忘れる。


一緒にいると恥ずかしくなるようなことをいっぱいするが、
一緒にいると微笑ましいこともいっぱいあった。
よく笑わせてくれた。
世界中で一番好きだった人。

ねぇ、おかあさん、この花、きれいやね。
話かけると、母の声がきこえた。
「ほんま、あたしみたいやな。」

1 件のコメント:

マグ さんのコメント...

そやね〜、この花まるでお母さんみたい!

小柄で、綺麗に髪の毛をまとめて、笑うとき丸い肩をちょっとすくめたりして可愛い。
真っ赤なスカーフが似合ってて、タマーに口悪い。けど、マトを得てる!

お出汁のめっちゃ効いたとびきりのおでん。
日本のワクワクを何時も送ってくれた小包。

ああ、お母さん廊下走らんといて!滑るがな。
ああ、お母さん夜は階段危ないし一階で寝たら?

いいやいや、、、私は知ってますよ。
おかあさんの大好きなお母さんのお部屋、

そら、そこは、お母さんの花園よ。

ねえ、おかあさん?