2011年8月21日日曜日

孤独の香り

くちなし、ゆり、、、は孤独を思わせる香りだわ。
くちなしの前を歩きながら、カレンは言う。

そういわれると私もそう思う。

彼女とはサラソタに帰る飛行機の席が隣りで仲良くなった。
とても素敵な布のバッグを持ってらしたので、いいですね、っていうと、彼女は自分で作ったという。
あいにく飛行機の便がキャンセルになり、デトロイトで1泊することになり、
同じホテルに泊まり、バーで飲みましょう、なんてことになった。
カレンは60代で、昔は教師で、45歳のときに離婚した。
化粧っけのないお顔は、いつも笑っているような感じだったけど、離婚の話になったら少し顔がゆがんだ。
通っていたジムにくちなしの花がいっぱい咲いていて、その香りに、
あたしはひとりでも寂しくないわ、って思った。
くちなしの香りがあまりにも凛として、
連れて行かれてしまったの、
ってカレンは笑った。

くちなしのジムは、私が最近通い始めたプールのあるジムなのです。
偶然ですね、じゃぁ、今度一緒にいきましょう、ということになった。
彼女はここにもう15年も通っている。昔は病院と近くの学校、消防署、警察の職員がトレーニングのために通うジムだった。
くちなしが咲き始めた頃で、彼女は胸いっぱいに香りを深呼吸、

今はジムより、キルティングが毎日の楽しみで、
恵まれない赤ちゃん達にあげるのだそうだ。
南アメリカの季節労働者には古いTシャツをリサイクルして、キルティングの座布団を作ってあげる。トラック移動の際に、座るのはたいていトラックの後ろだから、何かしかないとお尻が痛いらしい。
毎日忙しいし、楽しいし、あ~人生って最高。ねえ、そう思うでしょ?

私は、わからないけど、きっと最高なんだと思います、と答えた。




3 件のコメント:

mag さんのコメント...

誰も居なくなった実家の玄関先に大きな白い百合の鉢植えが有って、小さな門を開ける度に良い香りがする。
お向かえさんがお花が好きで家の玄関先には何時もその季節の花が咲いています。

誰も居ない実家に帰っても何時も花の香りがあって、ご近所さんの暖かさ=母の暖かさ。を感じる事が出来感謝です。

大人で素敵な香りエッセをありがとう^^!

kunikotheater2 さんのコメント...

誰もいない実家でも、ご近所さんが変わらずいらっしゃって、暖かい感じがするって、ええなぁ。
そして季節がくるごとに、ゆりが身近に咲き、お母さんを思い出させてくれるねんなぁ。
そういうのって、めちゃええなぁ。
うちは、そういや、朝顔が咲くと、夏のおかんを思わせてくれるけど、朝顔は香りがないっすね。。

mag さんのコメント...

プッ^^。
確かに朝顔香り無いけど、これほどカワイイ素敵な夏の花は無いと思う。

朝早く目が覚めたら。”おはようさん!”って、ほころぶ様な笑顔で言ってくれてるみたいやけど、

もし寝坊してお昼近かったら、”モウ阿呆!”って、顔しかめてる。

それって、くにたんのお母さん、そのもの?^m^